肉離れについて

肉離れとは?

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肉離れとは?

肉離れとは、ダッシュやジャンプなどの動作で急激に筋肉が引き伸ばされたことで筋繊維を損傷することです。
主にスポーツ活動中に発症しやすく、スポーツ障害の中で頻度の多い障害になります。

肉離れの原因とは

肉離れの原因は、筋肉が縮もうとしているところに、正反対の伸ばされる力が加わることによって起こります。
例えば、ふくらはぎの筋肉が縮もうとしている時に、地面を蹴って足首が背屈(ふくらはぎが伸ばされる)方向に力が働いた時に筋肉が耐えきれずに筋繊維が切れてしまうのです。

そのため、ダッシュやジャンプ・切り返しなど急激な動きをするときに多く発生します。

また、肉離れの発症リスクを高める要因として筋肉の柔軟性が関係します。
柔軟性がしっかりあれば、万が一筋肉が引きのばされたとしても対応出来ます。
しかし、柔軟性が低下していると筋肉が引き伸ばされたときに対応出来ないため肉離れを起こしやすいです。

ですので、筋肉の柔軟性も肉離れの原因の1つになるのではないでしょうか。

肉離れの症状

肉離れの主な症状は、断切部の圧痛運動時の痛みです。
また、受傷から数日後に皮膚表面に内出血が現れたり、損傷程度がひどい場合は断切部に陥凹を触知出来ることがあります。
下肢の肉離れの場合は、受傷から1週間ほど痛みのため歩行に支障をきたします。

肉離れを調べる検査

超音波観察器にて肉離れの状態を把握する肉離れしているか調べる検査は、エコーやMRIを使用します。
エコーやMRIで筋肉の状態をみることで、肉離れした筋肉がどの程度切れているか、また肉離れした筋肉からの出血なども確認できるため、肉離れの損傷程度がわかります。
肉離れは損傷程度によって軽度、中度、重度に分けられ、治るまでの期間が変わってくるので、どれぐらいの期間でスポーツに復帰できるかがある程度伝えられることが可能になります。
肉離れしてしまったときにエコーやMRIなどは有効だが、レントゲンは意味がありません。
レントゲンは主に骨を検査するもので筋肉の状態は写りません。

 

肉離れの治療

受傷直後は、RICE処置が効果的です。
中でも、アイシングが重要になります。
肉離れをしてしまったとき肉離れしてしまった部分からは炎症や出血、腫れが起こる。
この炎症や出血、腫れを抑えるのにアイシングがとても有効です。
その後、電気治療や超音波などの物理療法で炎症を抑えながら回復を促していきます。

肉離れのリハビリ

ストレッチ

肉離れに対するストレッチ肉離れをした部分がある程度回復してきたら、柔軟性を高めるためにストレッチを行っていく。特にスポーツをしている人は肉離れした筋肉の柔軟性を元に戻してから復帰しないと肉離れが再発することもある。ストレッチは始めるタイミングが早いと肉離れの部分を悪化させてしまう。ストレッチを行うタイミングとしてはストレッチをしているときに、ストレッチされている本人が肉離れを起こした部分に引きつけるような痛みではなく、ストレッチ感を感じることが大事。ストレッチ感ではなく、引きつけるような痛さを感じるときは、まだストレッチを開始するのが早いということだ。

筋力強化

肉離れが再発したり、スポーツ復帰したときにまた痛めそうで全力で出来ないという声をよく聞くが、肉離れした筋肉の筋力と強度を高めるトレーニングをやらずにスポーツ復帰してしまうのが原因の人がとても多い。
肉離れをした筋肉が徐々に回復してきたらストレッチをする人は多い。しかしスポーツに復帰する際に柔軟性を改善するだけでは不十分。柔軟性を高めた後は、筋肉の筋力や強度を高める必要がある。肉離れの痛みが消えると完治と勘違いしてしまい、肉離れした筋肉の筋力や強度がまだ不十分な状態で、ケガ前の元の運動強度でスポーツをすると、運動の強度に耐え切れず、肉離れが再発してしまったり、全力でプレーするのが怖くなってしまう。また何度も肉離れを繰り返すと瘢痕化してしまい余計再発のリスクが高まり、また治るまでに長期に時間がかかってしまうようになる。
強度を高めるトレーニングを行うときは負荷のかけかたにも注意が必要。急に負荷の高いトレーニングを行うと筋肉がその負荷に耐えられず肉離れが再発する原因になることもある。リハビリは段階的に強度をあげなければならないので自己判断で行うのは危険。
肉離れした筋肉のストレッチや筋力、強度を高めるトレーニングは専門スタッフにマンツーマンで行うべきだ。

肉離れのテーピング

肉離れした筋肉にテーピングをする今回治療としてテーピングを入れなかったが、肉離れをしてどうしても試合が近いときなどにはテーピングを行うこともある。
しかしテーピングをして試合に出てしまうと、瘢痕組織(しこり)ができやすい状態になってしまうので注意が必要である。
瘢痕組織が出来てしまうと、パフォーマンスが落ちてしまうので、あまり無理に試合に出ることはおススメしない。
しかし学生最後の大会や、その試合の後に当分試合がなく、試合後ゆっくり休める状況などであれば、無理にでもテーピングをして試合に臨むこともある。
今後の予定などよく考えて、テーピングをすることが大事である。

肉離れの予防

肉離れを完全に防ぐことは難しいが、いくつかのポイントに注意すれば予防することは可能です。
しっかりウォーミングアップを行ったり、運動後はストレッチなどのクールダウンを行い疲労回復に努めたりすることが肉離れの予防に繋がる。
また、テーピングやサポーターで保護・サポートしてあげることも効果的だと思います。

肉離れの多い症例について

肉離れは、様々な部位で起こりますがここでは肉離れの発症頻度が多いものを紹介します。

 

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。