スポーツ傷害&外傷

指の剥離骨折を早く治す治療法

今回は指の剥離骨折を早く治す治療を紹介します。

骨折した骨の回復を早めるリーパス波という電気があります。
それを行うことで剥離骨折の回復は早まりますが、指の剥離骨折を早く治す治療法といっても、骨折した骨が大幅に期間が短縮してくっつくということではありません。
早く治すというのは骨がくっついたあとにすぐに指が骨折する前と同じように動かせるようになるということです。
剥離骨折では治療がうまくいかず、元通りのように指が動かせるようになるまでに時間がかかってしまう場合が多いです。
その原因は大きく3つあります。
1.固定をしていなかった、または固定が弱かった
2.しっかりした固定はしていたが、自分で外したりして動かしていた
3.固定期間が長すぎてリハビリをするのが遅かった
これらの理由のために骨折した骨がくっつくまでに余計に時間がかかったり、骨折した部分の腫れが残ってしまい指の曲げ伸ばしがしっかりできるようになるまでに時間がかかってしまうことがあります。
このようにならないためにも指の剥離骨折をしてしまったときはケガ直後からしっかりした治療が必要になるので、その治療法を紹介します。

指の剥離骨折を早く治す治療法
1.剥離骨折した部分をしっかり固定する
指の剥離骨折の治療で1番重要なのはしっかりした固定を行うことで、骨折した部分が動かないように指から手首まで固定を行います。
剥離骨折はボールが当たったりして、指が無理矢理伸ばされた際に筋肉に引っ張られ発生します。

指を曲げ伸ばしする筋肉は手首の方から付いていて、指だけの固定だと手首や指の付け根の関節が動いてしまい、剥離骨折の原因となった筋肉が剥離骨折した部分を引っ張ってしまい安静が保たれず、骨の回復を遅らせてしまうため、指から手首までの固定する必要があります。

※左図のように手首から指先(包帯の下には固定具が入っています)までの固定が必要で、右図のような指先だけの固定だと指の筋肉が動いてしまい、治りづらくなってしまいます。

また骨折後、2週間がとても重要な固定期間になります。

固定をしっかりすると左図のように骨が元に戻ろうとどんどん骨が強くなっていきますが、固定が弱かったり、動かしていたりすると仮止めの骨の状態が続き、骨が強くなるまでに時間がかかってしまいます。
剥離骨折をすると、骨折した部分から出血などが起きますが、この出血したものは骨折した部分をまず仮止めしてくれます。
仮止めしたものが徐々に仮骨という骨折した部分を安定させる骨の元に変わっていき、その後しっかりした骨が出てきて骨がくっつきます。
仮骨がある程度出てくれば骨折した部分は安定するので、ずれたりする心配もなくなるのですが、この仮骨が出てくるまで2週間ぐらいしっかりした固定が必要になります。
この大事な2週間の間に固定が弱かったり、固定を外して動かしてしまったりすると、仮骨が出づらくなってしまい、骨がつくまでに時間がかかってしまうことが多いです。

2.リーパス波(超音波治療)を行う

リーパス波は骨折した部分に人間には感じないぐらいの微弱な音波を送り続け、骨折部分を刺激することで回復を早めてくれます。
仮骨が早くできるので、リハビリも早期に始めることができます。

3.適切なタイミングでリハビリを開始する
剥離骨折が回復してきたときに適切なタイミングでリハビリを開始することで折れた部分に適度なストレスが加わり、骨折の回復を促すことができます。

※仮骨が確認でき次第リハビリを始めることで骨の回復を促すことができる

また指の曲げ伸ばしを行うことで関節や筋肉が固まってしまうことも防ぐことができます。
剥離骨折後多くの場合、リハビリを行うタイミングが遅いために関節や筋肉が硬くなってしまい、指の曲げ伸ばしができるようになるまでに時間がかかってしまうことが多いです。
リハビリが遅れてしまう原因として、レントゲンだけで折れた部分を確認していると、仮骨が確認できるまでにはかなり時間が経たないと確認できません。
しかしエコーで折れた部分を確認していればレントゲンには写らないぐらいの仮骨が早期に確認できます。
仮骨ができていれば、折れた部分がずれる心配がないのでこのタイミングでリハビリを始めていくといいのですが、レントゲンだけで仮骨を判断するとどうしてもリハビリを始めるのが遅れてしまうので、エコーとレントゲン両方で総合的に判断する必要があります。

指の剥離骨折をしてしまった場合、固定をして2、3週間後に1度確認するだけになってしまうと固定を外すタイミングやリハビリを開始する適切なタイミングを逃してしまい、骨の回復が遅れ、治るまでに時間がかかってしまうことが多いので、まめに折れた部分をエコーで確認するなどすることで、指に腫れも残らず、元通りのように曲げたり伸ばしたりするようにできるようになります。

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。