肉離れは、スポーツの現場でよく起こるケガです。
しかし、肉離れやこむら返り・筋肉痛などはよく似た痛みをきたすため、違いがわからないというかたもいるのではないでしょうか。
筋肉痛かと思って運動を続けていたら、痛みがなかなか引かず実は肉離れを起こしていたというケースも珍しくはありません。
では、自分で肉離れを見分けることは可能なのか?
答えは、確実に見極めることは難しいと思います。
しかし、いくつかの状態を確認することで「もしかしたら、肉離れしているかも」ということは確認出来ます。
その確認をして頂いて、肉離れをしている可能性が少しでもあれば医療機関を受診してちゃんと検査してもらえば最悪の事態にはならなくて済むと思います。
このページでは、肉離れを見分け方のポイントについて紹介します。
目次
確実に見分けることは難しい
冒頭でも言いましたが、確実に自分で見分けることは難しいと思います。
専門家でなければ知識もないですし、自宅では肉離れを調べる設備も整っていません。
ですので、これから紹介する方法はあくまで肉離れとこむら返り・筋肉痛の大きな違いになります。
この大きな違いがわかるだけでも、治療機関に行かなければいけないものか少し様子を見ていいものなのかの判断基準になると思います。
筋肉痛・こむら返りとの見分け方
まずは、肉離れと筋肉痛・こむら返りの大きな違いについて紹介します。
筋肉痛と肉離れの違い
肉離れは筋肉の一部が損傷するのに対して、筋肉痛は筋肉に痛みを生じるだけで筋肉に損傷はありません。
筋肉痛は運動語数時間から翌日ぐらいから痛みが出てくるのが一般です。
一方、肉離れは運動中やなにかの動作がすぐに激しい痛みが起こります。
ですので、筋肉痛と肉離れでは痛みが出てくるまでにかかる時間に大きな差があります。
こむら返りと肉離れの違い
こむら返りは、筋肉が痙攣を起こしている状態です。
そのため、筋肉を伸ばすようなストレッチをゆっくり行ってあげると痙攣が治まり短時間で痛みがなくなります。
一方、肉離れは筋肉を損傷しているため短時間で痛みが引くことはありません。
ですので、こむら返りと肉離れでは痛みがなくなるまでに大きな時間の差があります。
このように、こむら返り・筋肉痛・肉離れでは状態が大きく違うためこのようなポイントに目を向けて頂ける見分けることに役立つと思います。
症状による見分け方
肉離れとこむら返り・筋肉痛では、異なる症状もあります。
これから紹介する症状がある場合には、肉離れの可能性が高いので医療機関を受診して下さい。
内出血
こむら返り・筋肉痛では、筋肉を損傷していないため内出血が起こることありません。
一方、肉離れの場合は筋肉を損傷しているため、筋肉から出血し青アザのようなものが出てきます。
損傷程度によって、アザの出る具合は変わりますが内出血が出ているのであればこむら返り・筋肉痛ではなく肉離れでしょう。
筋肉にへこみを認める(陥凹)
こむら返り・筋肉痛では、筋肉が切れていないため痛みのある部分にへこみを認めることはありません。
しかし、肉離れの場合は損傷程度がひどいと筋肉が切れて損傷部分を触るとへこみを感じます。
そのため、痛みのある部分にへこみを感じたらこむら返り・筋肉痛ではなく肉離れでしょう。
このように筋肉を損傷しているのか・していないのかによって出てくる症状がまったく異なります。
出ている症状によって見分けるのも1つの方法になります。
重症度の見極め方
接骨院や整形外科などで使用される肉離れの損傷程度を調べる疼痛誘発テストがあります。
損傷した筋のストレッチテストであり、筋肉がどれくらい伸張したら痛みが出るか確認するテストになります。
軽度・中度・重度の三段階で評価しています。
では、実際に誘発テストのやり方を紹介します。
大腿四頭筋の場合
大腿四頭筋の肉離れを疑った際には、膝が屈曲角度をうつ伏せで調べます。
この方法は、大腿四頭筋のタイトネステストであり、うつ伏せで膝を曲げていき、かかとを同側の殿部につけるようにします。
軽度の損傷では、膝が90°以上屈曲が可能であり、中度では90°~45°、重度では45°以下に膝の屈曲角度が制限されます。
ハムストリングスの場合
ハムストリングスに場合には、仰向けで膝を伸ばしたまま下肢全体を挙げていき下肢の挙上角度を調べるものになります。
軽度の損傷では、下肢を70°以上挙上が可能であり、中度では70°~30°、重度では30°以下に下肢の挙上が制限されます。
肉離れを正確に見分ける方法は?
肉離れを正確に見分ける方法は、画像診断になります。
方法としては、エコー検査やMRI・CTなどといった検査になります。
また、レントゲンでは軟部組織である筋肉は写らないため肉離れしているか見分けることは出来ませんので注意して下さい!
そのため、肉離れしているかもと思ったら必ず医療機関を受診してちゃんと検査して頂くことをおおすめします。