膝の痛み

成長痛ではない!?オスグッド病になった本当の原因

目次

オスグッド病とは、膝のお皿の下が痛くなる

小学生から中学生の子供に多く発生する膝の痛みの一つで、症状がひどくなってくると膝のお皿の骨がボコっと出てきてそこを押すと痛いのが特徴です。

まず、一番親御さんが心配されているオスグット病が治るかどうかといいますと、オスグッド病は治ります。オスグッド病を早期に治すためには、正しい原因を知りその原因に対して適切な治療を行うことが重要になります。
正しい原因を知らないために、適切な治療が行えずに「治療しているのになかなか治らない」なんて思いをされてから当院に来院されるケースもあります。

オスグッド病は、ひどくなると階段の昇り降りで痛んだりと日常生活にまで支障をきたすケガです。そうなる前に、しっかり治療をしましょう。
詳しい治療については、「オスグッド病を早期に治す治療法」に記載してありますんでご覧ください。

オスグッド病になる原因は太ももの前の筋肉が硬くなるから

成長痛ではない!?

オスグッド病と診断された方に話をお伺いすると、「オスグッド病になった原因は成長痛や使い過ぎだね」と言われていることが多い印象を受けます。
成長痛や使い過ぎが原因でしたら同年代の同じスポーツチームに入って同じように練習をしている子供は全員オスグッド病になるはず。
しかし、実際には「なる子」「ならない子」がいます。
本当に成長痛や使いすぎが原因なのでしょうか?
本当のオスグッド病になる原因は他にあるのでしょうか?

オスグッド病になる原因は筋肉の硬さ

オスグッド病は、成長痛ではなく太ももの前の筋肉が硬くなることで起こる痛みです。
下の図のように、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は膝の下にある脛骨粗面という部分に付いています。太ももの前に筋肉が硬くなることで、この膝下の骨を引っ張ってしまうのです。
何度も何度も引っ張れることで、骨が剥がれてしまい痛みが発生します。
オスグット病のメカニズム子供の場合、骨端核と呼ばれる軟骨が骨の端にあります。
骨端核は従来の骨に比べてまだ骨が弱いため、強い力が加わると痛めやすく剥がれやすいのです。
そのため、オスグッド病は成長期の子供に起こりやすいのです。
これが、どこからか成長痛と呼ばれることになって要因かもしれません。

オスグッド病になりやすい子の特徴

オスグッド病が起こる原因は、太ももの前の筋肉が硬くなることとお話しさせて頂きました。
そのため、同じ練習をしているのにオスグッド病になる子ならない子がいるのは、太ももの前の筋肉が硬くなりやすい子と硬くなりにくい子がいるからです。
どのような要因があると太ももの前が硬くなりやすい子になってしまうかを紹介します。
これから紹介するものに該当する場合は、その要因があなたのお子さんのオスグッド病を引き起こしている本当の原因です。

姿勢が悪い子(骨盤が後傾している)

太ももの前が硬くなる要因として、「姿勢が悪い」ことが挙げられます。
ゲームやテレビを見ているときに背中が丸まっていませんか?
そんな丸まった姿勢が太ももの前の筋肉を硬くしています。

姿勢が丸くなり、骨盤が後傾している姿勢が太ももの前の筋肉に影響を与えるのです。
太ももの前の筋肉は、膝から骨盤まで繋がっています。
骨盤が後ろの傾いてしまうと太ももの前の筋肉は伸ばされるためパンパンに張った状態になります。

そのため、骨盤が後傾している子はスポーツする時も立っているときも太ももの前の筋肉は休むことなく常に引っ張られ続けています。

本来は、骨盤はやや前傾しています。
その姿勢で生活したりスポーツしていれば、太ももの前は硬くなりづらいです。

このように、骨盤ひとつの傾きが大きな影響を与えるのです。
骨盤の傾きを整えることで、オスグッド病が治るなんてことはよくあります。

カラダの使い方

カラダの使い方がうまい子は、ケガをあまりしません。
カラダの使い方がうまい子は、同じ練習をしていてもカラダにかかる負荷が違うからです。
例えば、簡単なことでいうとジャンプする時に足首・膝・股関節すべてを使ってジャンプ出来るかです。
ジャンプするためにしゃがみ込むと思います。
そのときに、足首・膝・股関節すべてがちゃんと曲がっていますか?
  

当院で、色々な子にジャンプするためにしゃがみ込ませると上の三枚のいずれかのような姿勢をとります。
左の写真はカラダを使うのが上手な子がとる姿勢です。
足首・膝・股関節すべてが曲がっており全体が使えています。

中央の写真は股関節が曲がらずに膝が前に出てしまっています。
これで、ジャンプすると膝の力でジャンプしているため膝周りにはとても大きな力が加わります。

右の写真は一見良いように見えますが、股関節ではなく腰が丸まってしまっています。
これでは、しっかり上に力が伝わらず高くジャンプ出来ないでしょう。
また、うまく力が伝わらないため無理矢理ジャンプしようとするのですごくカラダが疲れてくるのではないかと思います。

このように、カラダの使い方ひとつでカラダにかかる負担は変わってきます。
そのため、カラダを上手に使えるようにすることでオスグッド病が治ることがあります。

しゃがみ込めない

オスグッド病になる子は、しゃがみ込めない子がとても多いです。
しゃがみ込むと後ろにひっくり返ってしまうんです。
最近は、和式トイレも減りしゃがみ込むことが減ってしまっているせいか出来ない子が多くなっている印象を受けます。
しゃがみ込むことができないのは、足首か膝か股関節のどれかの関節の可動域が低下してからなんです。
可動域に制限があると、さきほどのカラダの使い方でお話したように足首・膝・股関節全部を使うということは難しくなります。
そもそも動かなくなってなってしまっているのだから、うまく使えるわけがないんです。
そのため、しゃがみ込めない子にはカラダの使い方を覚える前にストレッチなどを行ってしゃがみ込めるようにすること(各関節の可動域を確保すること)が大切になります。

練習の環境

練習の環境も大きく影響します。
例えば、練習の時間内にアフターケアの時間は含まれていますか?
練習の最後にストレッチする時間はありますか?
どうしても部活動の練習時間は限られているため、時間目一杯まで練習されていることが多いです。
そのため、アフターケアを行わずに帰宅するなんてとこはしばしばあります。
だからといって、小学生や中学生では自宅に帰ってから痛くもないのにストレッチすることはなかなかいません。
こういったケア不足も筋肉に負担が蓄積していき筋肉が硬くなる原因に繋がるのです。

練習の環境も少なからず影響することを知ってもらえると幸いです。

このような要因が筋肉が硬くなりやすい子となりにくい子を作る

上記でお話させて頂いたような点により、筋肉が硬くなりやすい子となりにくい子が生まれます。
上記の点に該当する子は、筋肉が硬くなりやすい子です。
なので、同じ練習を行っていてもオスグッド病になる子とならない子がいるのです。

オスグッド病は成長痛でも使い過ぎでもありません。

オスグッド病は、成長痛でも使いすぎでもないのです。
なので、成長が終わるまでは仕方がないとか練習しすぎだから仕方ないねということはないのです。
しっかり問題を改善することで、オスグッド病を治すことが出来るのです。
何を伝えたいかというと、治療の手段があるのです。
成長痛や使いすぎということが原因になってしまうと、成長期の間や運動をしている間は痛みを我慢するしかないということになってしまいます。
しかし、このような問題点が原因なら治療をして問題がなくなれば痛みがなくなるのです。
オスグッド病は、治療をすることで治すことが出来るのです。

オスグッド病の治療

オスグッド病は、治らない症状ではありません。
適切な治療を行うことで日に日に良くなって行きます。
症状がひどくなる前でしたら、練習を行いながらでも治すことが出来ることがあります。

また、我慢して練習を続けていれば状態は悪化し、治るまでに時間がかかってしまうため出来るだけ早く治療を開始しましょう。
治療について詳しくは、「成長痛ではない!?オスグッド病を早期に良くする治療法」に記載してありますのでご覧ください。

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。