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オスグッド病とは?
10歳から15歳の成長期の子供の膝が痛くなる障害です。
オスグッド病は、「オスグッド・シュラッター病」とも呼ばれます。
スポーツ中でも、特に跳躍をよくするバスケットボールやバレーボール、ボールを蹴るサッカーなどのスポーツに発生することが多いです。
オスグッド病は、成長期の子供にしか起こらない障害です。
大人がオスグッド病になることはありません。
オスグッド病が成長期の子供にしか起こらない理由は、子供と大人の骨に違いがあるためまずは骨についてご説明します。
大人と子供の骨の違い
大人と子供の骨には、大きな違いがあります。
右の図をご覧ください。左側が大人の骨で右側が子供の骨です。何か違う所がありませんか?
そうです。子供の骨の端が分かれています。
これは、骨端核といって骨の成長する部分になります。この部分があることで、骨が伸び成長します。
この部分が閉鎖してなくなると骨が伸びることがなくなり、成長が止まり大人と同じ骨になります。
この骨端核が、今回ご説明するオスグッド病に大きな関係がありますので覚えておいてください。
オスグッド病になる原因
膝の関節は、大腿骨という太ももの骨と脛骨というふくらはぎの骨が主に繋がって関節になっています。その他に、みなさんがよく膝のお皿という膝蓋骨という骨や脛骨の横に腓骨という細い骨で構成されています。
ふくらはぎにある脛骨という骨にも骨端核があり、その端の部分に脛骨粗面と呼ばれる膝蓋靭帯が着く部分があります。
この脛骨粗面から膝蓋骨(お皿)に向かって膝蓋靭帯、太ももでは大腿四頭筋となり骨盤まで繋がっています。
これが、子供の膝の構成です。
オスグッド病では、大腿四頭筋という筋肉が何かしらの原因によって短縮したり硬くなると膝蓋靭帯を通して脛骨粗面(骨端核)が引っ張られます。
何度も何度も脛骨粗面が引っ張られると、脛骨粗面(骨端核)が剥がれてしまい痛みが発生します。
この一連の流れによって、オスグッド病が発生するのです。
オスグッド病になる詳しい原因につきましては、「オスグッド病になる本当の原因」記載してありますのでご覧下さい。
そのため、オスグッド病は成長痛ではなく成長期にある骨端核に負担がかかり発生する痛みであると言えます。
オスグッド=成長痛の間違え!
オスグッド病は、成長期にしか起こらないため一般的に成長痛と認識されていますがそれは大きな誤解です。
万が一、成長痛だとしたら同じクラスの友達や同じスポーツをやっている友達などみんながオスグッド病になるでしょう。
しかし、実際にはオスグッド病になる子もいればならないまま大人になる子もいます。
そのため、オスグッド病は成長痛ではなく成長期にある骨端核に負担がかかり発生する痛みを再認識しましょう。
ですので、「成長痛だから成長期はうまく付き合っていくしかないよ」と言われたかもしれませんがそんなことはありませんので安心して下さい。
成長期でも適切な治療を行うことで症状は改善します。
オスグッド病の症状
・走ると痛い
・自転車をこぐと痛い
・正座すると痛い
・盛り上がったところを押すと痛い
オスグッド病では、上記のような症状を膝蓋骨(お皿)の5㎝程下の部分(脛骨粗面)に痛みを認めます。
また、症状が悪化してくるとその部分に硬い盛り上がり(隆起)が現れてきてます。
オスグッド病の症状については、「オスグッド病の症状|オスグッド病を判断するためのポイントとは」に記載してありますのでご覧下さい。
突出した隆起は戻らない!?
オスグッド病の症状が悪化すると、痛みがある部分が突出してくる場合があります。
これは、剥がされた骨端核があるまま(痛みがあるまま)無理して動いているために骨が変形してしまったものです。
そのため、一度突出してしまうと戻ることはありません。
しかし、突出を戻すことは出来ませんが痛みは解消できますので安心してください。
また、骨が突出するのが嫌な場合は早期より治療を行うことが大切になります。
オスグッド病の治療
応急処置はアイシングが最も有効です。
アイシングをすることで、炎症の緩和に繋がり痛みを抑えてくれます。
また、治療方法としては消炎鎮痛薬(外用内服)や超音波、低周波などの物理療法なども効果がみられます。
予防には大腿四頭筋のストレッチングが最も重要で、オスグッド用の膝サポーターも有用です。
オスグッド病にはサポーターやテーピングが効果的!
膝のサポーターには様々な種類がありますが、オスグッド病に時におすすめのサポーターはバンド型のサポーターです。オスグッド病で痛みが出るメカニズムは、骨端核(脛骨粗面)が膝蓋靭帯によって引っ張られることで発生するとお話しさせて頂きました。
そのため、バンド型のサポーターを痛みある部分(脛骨粗面)の手前に巻く事で痛みのある部分にかかる引っ張られる力を抑えることができるため効果的です。
テーピングを巻く場合では、サポーター同様な効果があるように巻くと効果的ですので紹介します。
オスグッド病に効果的なテーピングの巻き方
1、アンダーラップを膝のお皿の下に2、3周巻く。
2、巻いたアンダーラップを上・下から丸めて一本の紐状にする。
3、丸めた一本のアンダーラップをお皿と痛みのある部分の真ん中に調整して上からキネシオテープで押さえます。
これで、サポーターと同様の効果のあるテーピングの出来上がり!!