「膝を捻った」、「膝を打った」などのケガや、「何もしていないのに膝に水が貯まって痛い」など、膝に水が貯まった経験はないでしょうか?
膝に痛みなどがあると、膝に水が貯まることがあります。
これを専門的には「水腫」と呼びます。
では、なぜ膝に水が貯まってしまうのでしょうか?
また「水を抜くとクセになりますか?」と患者さんによく聞かれますが、本当にクセになるのでしょうか?
結論からいうと、クセになることはありません。
今回は、そんな膝に水が貯まる原因についてお話しします
膝に水が貯まるからには原因があります。
なぜ膝に水が貯まるかをお話ししていきます。
目次
なぜ膝に水が貯まるのか?
膝に水が貯まる一番多い理由は、「炎症」が起こっているからです。
炎症が起こっている場合、カラダがその炎症を抑えようと水を貯めます。
みなさん火事を想像してみて下さい。
物が燃えています。この炎を消さなければなりません。何をされますか?
そうです。水をかけて炎を消すのです。
人のカラダも一緒です。
右の図のように大腿骨という太ももの骨と、脛骨というふくらはぎの骨が合わさった部分が膝になります。その間を、滑液という液体が満たしています。
炎症が起こっていると、この滑液を増やして消火しようとします。
だから水が貯まるのです。
水を貯めるという事は、自分の膝を守るための作業です。
そのため、水が貯まるという事は自分で自分の膝を治そうとしているのです。
炎症がある=水が貯まる
炎症が治まる=水がなくなる
水を抜くとクセになるのか?
膝の水を抜くとクセになると思われている方は多くいると思います。
では本当に水を抜くと、水が貯まりやすくなってしまうようなクセになってしまうのでしょうか?
水が貯まる原因が解消していないからまた水が貯まる
膝の水を抜いたからといって、水が貯まることがクセになるということはありません。
クセになるのではなく、本当の原因が解消していないためにまた水を身体が貯めてしまうのです。
先程お話ししたように、水が貯まるという事は自分の体を良くするための防御反応なのです。
炎症を抑えるために、カラダが水を貯めています。
そのため、炎症を起こしている原因を解消しないで水を抜いたらどうなるでしょうか?
そうです。身体は炎症を抑えるためにまた水を貯めます。
これが水を抜くとクセになると思われている真相です。
そのため、水をまた貯めないために水が貯まる炎症の原因を解消する必要があります。
膝の水を抜く=炎症が治まっているわけではない
膝に貯まった水を改善する4つの方法
では、炎症が起こって貯まったを水を改善する方法を紹介します。
アイシングする
膝に水が貯まるというのは、しつこいようですが炎症が起こっているからです。
そのため、炎症を抑えるために外から冷やしてあげることで炎症が早く治まります。
アイシングするときは、湿布や保冷剤でなく氷水で行って下さい。
詳しいアイシングについては、「効果的なアイシングを行う3つのポイント」をご覧ください。
電気治療を行う
炎症を抑える方法として、電気治療を行うという方法があります。電気治療を行うことで、水が貯まる原因となっている筋肉や関節などの炎症を抑える効果があります。また電気治療で血行をよくすることができるので、余分に貯まった水を流すことができます。
固定をする
固定を行うことで、炎症を抑える効果があります。
患部を動かしていると、炎症は治まりません。そのため、固定をして安静を保つことで炎症が治まります。
また、包帯などで圧迫することで水腫を引きやすくする効果があります。
病院で水を抜いてもらう
水を抜いてもらうということは、悪いことではありません。
大量に水が貯まると、膝が動かしづらくなったり、圧迫感で痛みが発生することもあるため、水を抜いてもらうことで楽になります。また大量に貯まった水には痛みを誘発する成分も含まれているため、水を抜くことで痛みが軽減されます。
水を抜いた後は、上記でお話ししたように包帯などで固定をして炎症を抑えると、とても効果的になります。
上記4つを行っていけば、炎症が治まり水は改善されます。
水を繰り返し貯めないためには?
「膝を捻った」、「転んで膝をぶつけた」などといった、明確な原因があって水が貯まってしまった方は、そのケガをした原因で炎症が起こって水が貯まっているので、治療をして炎症が治まれば、そのまま水が引いていきます。
しかし、「特になにもしてないけど、膝が痛くなり水が貯まった」などという方は、治療をしていれば水はおさまりますが、治療を終えた後にまた膝に水が貯まる可能性があります。
このような方は、下記のようなことが考えられます。
・膝に変形性関節症などがあり、膝の動きが悪くなっているために炎症が起こりやすい
・膝以外の関節が硬くなり、膝に過剰な負担がかかっているために炎症が起こりやすい
といったことがあります。
そのため水がなくなった後にこのような原因を解消することを行っておかないと、再度水が貯まる可能性があります。