発生頻度は多くありませんが、成長期の子供がスポーツ活動後に膝のお皿が痛いときは分裂膝蓋骨の可能性があります。分裂膝蓋骨があっても無症状に経過することが多いですが、スポーツ活動や打撲などが原因となって痛みを伴うことがあります。男の子に多いのも特徴です。
目次
有痛性分裂膝蓋骨とは
分裂膝蓋骨とは膝のお皿が2つ以上に分裂しているものをいいます。
その大半は二分膝蓋骨といい、2つに分かれています。レントゲンを撮影することで確認出来ます。
成長期の10歳~15歳の男の子に多く発症し、発症頻度は1%前後になります。
有痛性分裂膝蓋骨の分類
Saupeの分類
Ⅰ型:膝蓋骨下極の水平分裂 5%
Ⅱ型:膝蓋骨外側の垂直分裂 20%
Ⅲ型:膝蓋骨上外側の斜方分裂 75%
外上方に発症する事が多いため、膝蓋骨の外上方を痛がる事が多い。
有痛性分裂膝蓋骨が発生するメカニズム
有痛性分裂膝蓋骨が発生するメカニズムは大きく2つになります。
生まれつきにお皿が分裂している。
膝蓋骨(膝のお皿)が分裂している場合、先天的に分裂しているものがほとんど。
分裂している骨に対して、筋肉の牽引力により疲労骨折をおこし、骨がつかなかった。
人間の骨はもともと骨端線といい、骨が大きくなる部分が分裂しています。その分裂している部分が成長していくことで骨が伸び、大人の骨に近づいていきます。その分裂している部分に筋肉の引っ張る力が加わり、疲労骨折を起こし、骨がつかない状態になってしまうことがあります。
2つのような分裂してしまう原因が考えられますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。
しかし分裂してしまう原因はまだはっきりとしていませんが、痛みが出る原因はわかっているので、しっかりと痛みを改善することは出来ます!
有痛性分裂膝蓋骨が痛む原因
レントゲンを撮影するとお皿が割れているのがわかりますが、その割れ方にはいくつかあります。
上記の図のように多くは、膝のお皿の外側や上外側が分裂しています。
お皿の外側または上外側に分裂部をもつものは、この分裂している部分に外側広筋という太ももの外側の筋肉が付いています。この外側広筋という筋肉が硬くなると、筋肉が分裂している骨を引っ張るので、分裂している骨が剝がれるようになり痛みが出ます。これが痛みの出る原因です。
分裂膝蓋骨の診断方法は
レントゲン検査・MRI検査などを行うことでわかります。
分裂膝蓋骨の症状
・痛みが出るのは12~16歳ごろが多い。
・運動中、あるいは運動後に膝のお皿に痛みを訴える。
・お皿の外側が腫れる。
・お皿の痛いところに圧痛、叩打痛を認める。
・安静時に痛みはない。
成長期の時期で、子供がお皿を痛いと訴えていて、お皿が腫れていたり、子供が痛いという部分を押して痛ければ、分裂膝蓋骨の可能性があります。
分裂膝蓋骨の治療
分裂している部分がほとんどお皿の外側のため、分裂しているお皿を引っ張ってしまう外側広筋の牽引力をいかになくしていくかになります。
電気治療やマッサージで筋肉をゆるめる
まずは硬くなっている太ももの外側の筋肉をゆるめることで痛みを取り除いていきます。電気治療やマッサージは筋肉をゆるめるのにとても有効です。こばやし接骨院では最新の治療機器を使用して早期の痛みの除去を行っています。
股関節や足首の柔軟性を高めて膝に負担がかからないようにする
股関節や足首が硬いと左の写真のような膝に負担がかかる姿勢になってしまうので、股関節や足首の柔軟性を高めることで、右の写真のような膝に負担がかからない姿勢を最低限とれることが大事になります。