目次
野球肘とは?
野球肘とは、野球の投球動作に動作において肘に痛みのでるものを言います。
野球肘には、内側型・外側型・後方型の3つのタイプがあります。
では、一つ一つを紹介します。
内側型野球肘
内側型野球肘には、
- 内側上顆炎
- 内側々副靱帯損傷
- 上腕骨内側上顆剥離骨折 など
野球肘の中で一番多いタイプです。
内側型野球肘は、肘の内側に原因がある野球肘ですが、その大多数は肘の内側に付く腱や筋肉の硬さによるもので筋肉のストレッチ不足やフォームによる異常により発症します。
その場合は、安静にしているだけでは完治は難しく、筋肉の柔軟性の改善や投球フォームの見直すなどが重要になってきます。
それ以外に、ボールを投げた瞬間に激痛が走り痛めることが多い内側々副靱帯損傷や上腕骨内側上顆剥離骨折なども内側型野球肘にあたります。
内側型野球肘については、「野球肘内側型を治すために必要な知識を治療について」に詳しく記載してありますのでご覧ください。
外側型野球肘
外側型野球肘は、
- 離断性骨軟骨炎
です。
離断性骨軟骨炎は、肘の曲がる部分の軟骨を痛めてしまうタイプの野球肘です。
ほとんどが小学生時に発生し、しっかり治しておかないと肘の変形や曲げ伸ばしに障害を残し、スポーツ選手の将来に大きな影響を与えてしまう野球肘です。
そのため、早期に発見して治療を行う必要があります。
そして、離断性骨軟骨炎になってしまったら野球を行いながら治すことはとても難しいです。
この場合は、しっかり休んで治療に専念しましょう。
外側型野球肘については、「離断性骨軟骨炎を治すための知識を治療について」に詳しく記載してありますのでご覧ください。
はじめの頃は痛くない!?
外側型の最大の特徴は、初期の段階では症状がありません。
軽く不快感を運動後に感じる程度でちょっと疲れたかなくらいにしか感じません。
そのため、野球肘に気づかずにそのまま野球を続けてしまうことで状態が悪化してしまい痛みなどの症状が現れるというケースがとても多いです。
外側型は、野球肘の中で将来を脅かす一番怖い野球肘なので早期に発見することがとても大切なのです。
痛くない初期にどのようにして野球肘を発見するのか?

では、痛みがない初期の状態に外側型野球肘をどのように見つけるのか?
それは、超音波観察器を使用します。
エコーと呼ばれるもので、妊婦さんが赤ちゃんを見るときなどにも使用されます。
超音波観察器を使用することで、軟骨の状態を確認することが出来るため外側型野球肘が発生しているかわかります。
また、超音波観察器は人体に害がないため子供にも安心して使用できます。
後方型野球肘
後方型野球肘は、
- 肘頭疲労骨折
- 後方インピンジメント
- 骨端線離開 など
後方型では、二つの原因によって痛みが発生します。
・肘が伸びきる時に骨同士が衝突して痛むもの
・上腕の後ろの筋肉により引っ張られて痛むもの
の二つの原因になります。
野球肘の中では一番発生頻度が少ないです。
後方型野球肘については、「後方型野球肘を治すために必要な知識と治療について」に詳しく記載してありますのでご覧ください。
野球肘の症状とは?
野球肘の症状は、
- ボールを投げると肘が痛い
- 肘が曲がらなくなってきた
- 日常生活で肘を曲げ伸ばししても痛い
などが挙げられます。
ひどくなると、日常生活でモノを持ったり肘を曲げたりするのも痛みを感じるようになってしまいます。
痛みの出る部分は、内側型・外側型・後方型によって異なります。
野球肘は休めば治るわけではない!
野球肘になって、「しばらく運動は禁止にして安静にしてください」と言われたことがあるのではないでしょうか?
安静にしているだけで、また思いっきりボールを投げれるようになるのでしょうか?
それだけでは、野球の練習を再開したらまた肘が痛んでくる可能性がとても高いです。
なぜなら、あなたが野球肘になった原因がなにも解決していないからです。
肘に偏った負担をかけてしまってる原因があなたのカラダの中に隠れています。
その原因を解決せずには野球肘が完治することはありません。
ここでは、野球肘を治すために必要なポイントを2つ紹介します。
野球肘の原因
肘だけが悪くて野球肘になる選手はいません。
フォームの悪い選手、肩や股関節が硬い選手、肘のストレッチをしていない選手に多く見られます。
そのため、しっかりと肘以外に状態を把握することがとても重要です。
そして、肘の痛みでボールが投げれない期間をただ安静にするだけでなく自分の問題点を改善する期間にあてることで野球に復帰した際に野球肘を再発することはないでしょう!
また、自分の問題点が改善することで悪くクセや動きの制限がなくなるため本来のカラダの使い方を取り戻すため練習を休んでいたのにも関わらずパフォーマンスが上がったりする選手も少なくありません。
野球肘の治療
主な原因であるオーバースローでのピッチング動作は休止します。
投球後のアイシングを徹底して頂き超音波や電気治療などの物理療法で炎症を抑えて治療して行きます。
また、肩甲骨や肩関節・股関節といった柔軟性が低下することで肘の負担が増大してしまう部分のストレッチを徹底的に行って肘への負担を軽減させるフォームを作っていきます。
野球肘の予防
野球肘では、肘の付く前腕の筋肉が硬くなることで起こりやすいためストレッチなどがおすすめです。
そのため、当院ではこのようなストレッチ指導させてもらうこともあります。
また、このような動画も配信しているため自宅でもしっかり行えます。