剥離骨折は、みなさんにとても身近な骨折のひとつである。
突き指かと思ったら指を剥離骨折、ねんざをしたかと思ったら足首を剥離骨折などとちょっとしたケガかと思ったら骨折しているということはよくある。
そのため、治療をせずになかなか痛みや腫れが引かないから病院を受診したら折れていたということも少なくない。
しかし、剥離骨折も治療が遅れると骨がくっつかずに治ってしまい指が曲げづらくなってしまったり、腫れが残って治ってしまったりとのちのちに後遺症が残ってしまうことに繋がりかねない。
そうならないためにも、今回は剥離骨折を早期にしっかり治す方法を紹介しよう。
さっそく、剥離骨折を早期に治す治療法について紹介したところだが、剥離骨折について少しお話ししようかと思う。剥離骨折と言われてもどのような骨折かわからない方もいると思いますので、まずは剥離骨折についてしっかり知ろう!!
目次
剥離骨折とは
骨折には、骨が二つに折れたり、ヒビが入ったり、一部分が欠け落ちたりと様々な種類があります。
今回、紹介する剥離骨折とは靭帯や筋肉の収縮によって骨の一部が剥がれ落ちてしまう骨折です。
急激な外圧が加わった場合(足首を捻る・ボールが指に当たるなど)、それに対応しようと筋肉や靭帯は伸縮しますが、あまりにも大きな力だった場合、筋肉や靭帯に繋がった一部まで損傷してしまうのです。
剥離骨折はねんざと間違われやすい!?
剥離骨折では、通常の骨が二つに折れてしまうような骨折と比べて痛みが弱い場合が多いです。例えば、足首を剥離骨折していても立ち上がれないほど激痛ということはあまりありません。
ねんざと症状がほとんど変わらないため、ねんざだと自己判断して治療にいかないというケースがとても多いので注意しなければいけません。
では、どのような症状だと剥離骨折の可能性が高いか紹介します。
剥離骨折をしている場合に見られやすい症状
すぐにパンパンに腫れてくる
ねんざと剥離骨折を比べた際に、剥離骨折を起こしている場合のほうが早期に腫れてきます。
剥離骨折を起こしていると、1時間もしないうちにパンパンに腫れてきます。
ねんざの場合だと、損傷程度にもよりますがここまで早くパンパンに腫れることはありません。
内出血が出る
剥離骨折を起こしている場合、決まった場所に内出血が出てくることが多いです。
例えば、指の剥離骨折の場合は指の曲がる関節の手の平側に内出血が出てきます。
この場合は、剥離骨折を起こしている可能性が高まります。
指の場合、ほとんど曲げ伸ばしが出来ない
手の指を剥離骨折している場合は、ほとんど指の曲げ伸ばしができない場合が多いです。
突き指の場合では、痛いながらとまあまあ指を曲げることが可能なことのが多いです。
上記の三つの症状を参考にして頂いて、当てはまるものが多い場合は剥離骨折を起こしている可能性が高まりますので必ず診察してもらい骨の状態を確認するようにして下さい。
万が一、剥離骨折したかもと思ったら…
なにかしている際に、上記の症状に当てはまるか・この痛みは折れたかもと思うことがありましたらご自身ですぐに一つだけ行ってもらいたいことがあります。
それは、アイシングです。
アイシングを行うことで簡単にいうと損傷程度最小限に抑えて早く治すことに繋げてくれます。
詳しいアイシングの効果については、「効果的なアイシングを行う3つのポイント」に記載してありますのご覧下さい。
アイシングを早期に行ってから治療院にいくのと、アイシングを行わずに時間が経ってから治療院に行くのでは完治するまでの期間に差が出てきますので早く治したい時は必ずアイシングをすぐに行うようにして下さい。
剥離骨折を早く治す治療法
剥離骨折についてはわかって頂けたのではないかと思います。
それでは、ここからは剥離骨折を早く治す方法を紹介します。
患部をアイシングする
アイシングをすることで、剥離骨折をしてしまった部分の炎症や出血を抑えることができる。
炎症や出血を少しでも抑えることで、患部の損傷程度の悪化を抑えることができる。
先程、話したようにアイシングは自分でも行えるためケガしたすぐより開始してもらえることが望ましい。
アイシングをする際に湿布で冷やす人もいるが、湿布には鎮痛効果はあっても、筋肉の炎症や出血を抑える効果は少ない。必ず氷で冷やそう!
電気治療を行う
電気治療の効果
- 炎症、出血を抑える
- 鎮痛効果
炎症、出血を抑える
電気治療をすることで、剥離骨折をしてしまった部分の炎症や出血を抑えることができる。
鎮痛効果
電気治療を行うことで、鎮痛効果がある。
超音波治療
骨折の治りの促すのに「超音波骨折治療法」と呼ばれるものがある。
この治療法は、サッカーのディビット・ベッカム選手などが骨折治療のために受けたことでも注目されました。
超音波の力学的刺激が骨癒合を促す効果があります。
患者さんは、なにも感じずに痛みもないため無理なく行うことができる。
手技療法
初期の頃は行わないが、炎症期が終わり痛みが和らいできたら早く腫れを引かせたり周りの筋肉や関節が固まらないように手技療法を行っていきます。腫れが残存していると、剥離骨折を起こしている患部の血流が悪くなり患部に栄養が送られづらくなるため、早く腫れを引かせることが早く治すことに繋がるため当院では痛みの出ないように手技療法を行っていく。
固定
患部の安静を保つために固定をしていく。
また、ただ固定するだけでなく患部を圧迫するように固定する。
圧迫することで、出血に腫れを最小限に抑えることができ剥離骨折を早く治すことに繋がる。
また、しっかり固定することで剥離骨折をしている骨片が安定するため骨がつきやすくなる。
しかし、固定する肢位には注意しなければならない。
固定する角度によって、骨が付きづらくなってしまったり変に関節が固まったりしてしまう可能性があるのだ。
たとえば、指の手の平側で剥離骨折を起こしてしまった場合には、指の角度は軽く曲げて固定する。
理由は、折れた骨片に付いている筋肉を緩めてあげて骨片が引っ張られて離れてしまうのを防止するためである。
このように、固定する角度も治療において重要になる。
剥離骨折がくっつかないでしまうと…
剥離骨折だからといって、固定を外して生活してしまっているとたまに骨がくっつかずに治ってしまう場合があります。そうなると、様々な後遺症が残ってしまう場合があるため
注意しなければならない。
ここでは、くっつかずに治ってしまって後遺症が残る症状を紹介したい。
動きに制限が残る
剥離した骨片がそのままそこの残ってしまうため動きに制限を残してしまうケースがある。
例えば、指であればしっかり握り込むことができないだったり、足首であればしゃがみ込めなくなったりと日常生活に支障をきたすことにもつながりかねない。
動作での痛みの残存
運動時の痛みが残ってしまうケースもある。
指であれば、ものを握り込んだときの痛みだったり、足首であれば歩行時に痛みだったりとこちら日常生活に支障をきたすことにも繋がる。
後遺症を残さないために
これは、どんなケガにでも言えることだが初期対応をしっかりと行うこと。
骨折してるかもと思ったら治療機関を受診する、固定を勝手に外さないなど初期対応をしっかりと行うことがとても重要である。