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様々な症状を引き起こす!?ニーイン・トゥアウトになる5つの要因

ニーイン・トゥアウトニーイン・トゥアウトという言葉を聞いたことはないだろうか?
ニーイン・トゥアウトとは、歩いているときや走っているときに字のごとく膝が内側に入って、相対的につま先が外側を向いてしまっている状態だ。
本来、歩いている際などを正面から見た時に股関節・膝関節・つま先(第2指)が一直線上になければならない。
しかし、ニーイン・トゥアウトしていると股関節・膝関節・つま先(第2指)が一直線上にないため大きな負担がかかり様々な症状を引き起こすことがある。

目次

ニーイン・トゥアウトとは
ニーイン・トゥアウト(正常) ニーイン・トゥアウト

 

 

 

 

 

 

左の写真:正常    右の写真:ニーイン・トゥアウト

ニーイン・トゥアウトが引き起こす症状

ニーイン・トゥアウトの状態で生活・スポーツを行っていると大きな負担がかかり続けるため様々な症状を引き起こす。
今回は、代表的な症状を紹介します。

膝の内側が痛くなる鵞足炎

膝の内側にある鵞足部という部分に痛みが出る。
ニーイン・トゥアウトすることで、鵞足部に付く縫工筋・薄筋・半腱様筋に負担がかかる。

すねの内側が痛くなるシンスプリント

ニーイン・トゥアウトすることで、すねの内側にある後脛骨筋などに負担がかかり骨膜を引っ張り痛みが出る。

足の裏側が痛くなる足底筋膜炎

ニーイン・トゥアウトすることで、足底のアーチ(土踏まず)が潰れるように内側に荷重がかかるため足底筋膜に負担がかかり痛みが出る。

足首の内側辺りが痛くなる有痛性外脛骨

ニーイン・トゥアウトすることで、後脛骨筋という筋肉に負担がかかり、後脛骨筋が付着する内くるぶし周辺に痛みが出る。

ニーイン・トゥアウトになる5つの要因

回内足(偏平足)

回内足とは、地面に足が着いた時にアーチ(土踏まず)が潰れてしまいかかとが内側に傾いてしまう状態を言います。
回内足なし(正常)回内足

 

 

 

 

 

 

左:正常 右:回内足

回内足があるとかかとが内側に傾いてしまうため、その上にある膝も内側に傾いてしまうため「ニーイン・トゥアウト」になってしまう。

下腿軸のねじれ

本来、つま先をまっすぐ向け立った時に左の写真のように第ニ指(人差し指)の線上に膝蓋骨(ひざのお皿)の真ん中がなければなりません。

下腿軸(正常) 下腿軸(外旋)

 

 

 

 

 

 

 

左:正常 右:下腿軸が外旋

左の写真であれば、つま先をまっすぐ出せば膝もまっすぐ出るためバランスは崩れません。
しかし、右の写真ではつま先をまっすぐ出すと膝が内側を向いてしまいます。
そのため、下腿軸が外旋していると「ニーイン・トゥアウト」してしまいます。

股関節の可動域低下(内旋・外旋)

股関節は、屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋という動きを行うことが出来ます。
どの動きも大切なのですが、今回特に大切なのは「内旋・外旋」です。

<股関節の内旋・外旋可動域のチェック法>
股関節 内・外旋可動域

 

 

 

 

 

 

・仰向けになり、股関節・膝関節を90°にして行う。骨盤が動かないようにする。
正常であれば、内旋45°外旋45°くらいの可動域があります。
「ニーイン・トゥアウト」の方は、外旋の可動域が低下して内旋の可動域が増大している方が多いです。
そのため、股関節が内旋方向に優位に動くため、膝が内側に入り「ニーイン・トゥアウト」になります。

足関節の背屈制限

足首は、90°屈曲位から20°くらい背屈することができます。

<足首背屈制限チェック法>

足関節 背屈可動域

 

 

 

 

 

・仰向けになり、膝を伸ばした状態で行う。
正常であれば、20°くらい動きます。
背屈制限があると、歩行の際に足首がしっかり踏み込めないため足首を内側に捻じって歩くため膝が内側に入り「ニーイン・トゥアウト」になります。

足関節 背屈可動域(回旋チェック) 足関節 背屈可動域(正常) 足関節 背屈可動域(外旋)

 

 

 

 

・うつ伏せになり、膝を90°屈曲位にして他の方に背屈してもらう。
この際、つま先がどの方向を向いたときに一番動きやすいかを確認します。
正常であれば、つま先が膝蓋骨(膝のお皿)の真ん中持っていった方向が一番動きやすい。
つま先が外側を向いた方が動かしやすい方は、歩行において、つま先をまっすぐ着いた時に膝が内側に入ったときが足首が一番動きやすいため「ニーイン・トゥアウト」になります。

体幹の安定力

人間の体ある関節には、ある程度決まった役割があります。
大きく分けて、Stability(スタビリティ)=安定性が必要な関節とMobility(モビリティ)=可動性が必要な関節の2つの役割に分けられます。

  • 体幹=スタビリティ
  • 股関節=モビリティ
  • 膝関節=スタビリティ

という感じに役割が決まっています。
しかし、体幹のスタビリティ(安定性)が低下してしまうと身体を保持するために股関節がモビリティ(可動性)からスタビリティ(安定性)に変わってしまいます。

<体幹力のチェック法>

体幹力チェック法 体幹力チェック法(正常) 体幹力チェック法(低下)

 

 

 

 

左:検査する姿勢 中央:正常 右:体幹力の低下

・椅子に浅めに腰かけて座ります。
手を胸の前で組み、両足を軽く浮かせます。
この状態で、片足を上げます。※体を後ろに反らさないように注意!!
足上がらなかったり、上げても逆の足の膝が内側に入ってしまったら体幹力の低下を認めます。

このチェック法のように体幹に安定がないと、本来可動性の役割を果たす股関節を内旋(膝を内側に入れる)して股関節を固定して安定を高めようとする。
そのため、体幹に安定がないと股関節が内旋(膝が内側に入る)ため「ニーイン・トゥアウト」してしまう。

まとめ

「ニーイン・トゥアウト」するには、様々な原因がある。
何の障害もなく、ニーイン・トゥアウトにはなかなかなりづらい。

今回紹介した5つの要因

  • 回内足(偏平足)
  • 下腿軸のねじれ
  • 股関節の可動域の低下
  • 足首の背屈制限
  • 体幹の安定力

を、確認して頂いてニーイン・トゥアウトの改善に役立ててほしい。
ニーイン・トゥアウトのままにしておくと、必ずどこかに症状が出てきます。
また、症状が出てしまっている方はニーイン・トゥアウトを改善することで痛みがなくなると思います。

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。