この記事を監修している人:小林 勇太(柔道整復師保有)

子どもが、

「かかとが痛い」

「サッカーをすると痛くなる」

と言っていると、

「成長痛だから、そのうち治るのかな?」

と思う保護者の方もいるのではないでしょうか。

しかし、成長期の子どものかかとの痛みには、**シーバー病(踵骨骨端症)**が隠れていることがあります。

私が実際にみてきたシーバー病の患者さんでは、サッカーをしている小学生が多く、走ったり運動したりするとかかとの痛みが強くなるケースがよくみられます。

一方、一般に「成長痛」と呼ばれる良性夜間四肢痛は、夕方から夜間に痛みが出て、朝には症状がなくなっていることが典型的です。

この記事では、シーバー病と成長痛の違いと、子どもがかかとを痛がったときに確認したいポイントを解説します。

シーバー病(踵骨骨端症)とは?原因・症状・治し方を柔道整復師が解説シーバー病(踵骨骨端症)とは?サッカーをしている子どものシーバー病を実際にみてきた柔道整復師が、原因・症状・治療、サッカーを続ける目安、ストレッチ、治るまでの期間についてわかりやすく解説します。...





シーバー病と成長痛は同じもの?

シーバー病と、一般に「成長痛」と呼ばれているものは同じではありません。

シーバー病は踵骨骨端症とも呼ばれ、成長期の子どもにみられるかかとの痛みです。

特に、走る・ジャンプするといったスポーツをしている8~15歳前後の子どもに多く、運動による繰り返しの負荷が関係すると考えられています。

一方、いわゆる成長痛は「良性夜間四肢痛」とも呼ばれます。

名前から「骨が成長するから痛い」と思われがちですが、成長そのものが痛みを起こしていると証明されているわけではなく、原因ははっきりしていません。

したがって、「成長期だから、かかとが痛いのは全部成長痛」とは考えない方がよいでしょう。


シーバー病と成長痛の違い

両者を理解するうえで、特に確認したいのが「どこが・いつ・どんなときに痛むのか」です。

比較するポイント シーバー病 いわゆる成長痛
痛む場所 主にかかとの後方~周辺 太もも・すね・ふくらはぎなど
痛むタイミング 運動中・運動後に出やすい 夕方~夜間に出やすい
運動との関係 走る・ジャンプなどで悪化しやすい 運動中の痛みは典型的ではない
朝の状態 負荷や症状によって痛むこともある 一般的には朝には消えている
押したとき かかとに圧痛がみられることがある 診察上は通常異常を認めない
歩き方 痛みが強いと跛行することがある 跛行は典型的ではない
片足・両足 どちらもあり得る 両側性が典型的だが片側の場合もある

これはあくまで典型的な傾向を比較したものです。

この表だけでシーバー病か成長痛かを自己診断することはできません。シーバー病も片足・両足のどちらにも起こり得ますし、成長痛についても必ず両足に出るとは限りません。

シーバー病と成長痛の違い比較図


違い① 痛む場所

シーバー病は「かかと」が痛む

シーバー病では、主にかかとの後方から周辺に痛みが出ます。

アキレス腱が付着する踵骨の成長部分周辺に圧痛がみられ、かかとの両側から圧迫する「スクイーズテスト」で痛みが誘発されることがあります。

私が実際に患者さんをみるときも、

「かかとのどの場所が痛いのか」

「押すとどこに痛みがあるのか」

を確認します。

成長痛は太もも・すね・ふくらはぎなどに出やすい

典型的な成長痛は、太もも・すね・ふくらはぎなどに痛みを訴えます。

特定の骨や関節の一点だけを繰り返し痛がる場合は、典型的な成長痛とは異なる可能性があります。

そのため、

「かかとの同じ場所をいつも痛がる」

のであれば、「成長痛だから」と決めつけずに状態を確認することが大切です。


違い② 痛む時間帯

ここは、保護者の方が比較しやすいポイントです。

シーバー病は運動中・運動後に痛みやすい

シーバー病では、

サッカーをする
走る
ジャンプする

など、かかとに負荷がかかる活動によって痛みが強くなるのが特徴です。

休むと症状が軽くなる傾向があります。

私がみてきた患者さんでも、

「サッカーの練習中に痛くなる」

「練習が終わったあとにかかとを痛がる」

という訴えがよくあります。

成長痛は夕方~夜間に痛みやすい

典型的な成長痛では、夕方や夜間に痛みが出て、睡眠中に目を覚ますこともあります。

一方で、朝になると痛みがなくなり、日中は普段どおり活動できるという経過が典型的です。

したがって、

「夜に痛かったから成長痛」

だけではなく、

「運動中にも痛いか」「翌朝にも痛いか」

まで確認してみてください。


違い③ 運動すると痛むか

シーバー病と成長痛を考えるとき、運動との関係は重要です。

シーバー病はランニングやジャンプなどによって痛みが悪化することがあります。

一方、典型的な成長痛は運動中に痛みが出るものではありません。活動中の痛みが繰り返される場合には、成長痛以外の原因を考える必要があります。

特にサッカーをしている子どもで、

「練習を始めるとかかとが痛くなる」

「ダッシュやジャンプで痛い」

「練習量が増えてから痛くなった」

という場合は、シーバー病を含むスポーツ障害も考えて状態を確認しましょう。


違い④ 歩き方が変わっていないか

痛みが強いシーバー病では、かかとへの荷重を避けるために、足を引きずったり、つま先寄りで歩いたりすることがあります。

一方、典型的な成長痛では、日中の跛行や歩行異常は通常みられません。

そのため、

「かかとを痛がっているだけだから大丈夫」

ではなく、歩き方や走り方も確認してください。


「成長痛だと思って様子を見る」で大丈夫?

典型的な成長痛の特徴に当てはまる場合には、大きな問題がないことも多くあります。

しかし、子どものかかとの痛みにはシーバー病以外の原因もあります。

小児のかかとの痛みには、疲労骨折、感染症、足根骨癒合症など、別の疾患が含まれることがあります。

特に、

  • 体重をかけられないほど痛い
  • 足を引きずっている
  • 腫れや赤みが目立つ
  • 発熱など全身症状がある
  • けがをしてから強く痛む
  • 安静にしていても痛い
  • 痛みが徐々に強くなっている
  • 長期間改善しない

といった場合は、「成長痛だろう」と自己判断せず、医療機関で確認してもらいましょう。夜間痛についても、典型的な成長痛との区別が必要になるため、ほかの症状や経過を含めて判断することが重要です。


シーバー病だった場合はどうする?

シーバー病では、痛みの程度に応じて運動量を調整することが基本になります。

必ずしもすべてのスポーツを完全に休む必要があるわけではありませんが、痛みを我慢して普段と同じ練習を続けるのはおすすめしません。

私の接骨院では、シーバー病の患者さんに対して、状態を確認しながら電気治療や手技療法を行い、ふくらはぎから足底周辺の状態も確認しています。

また、運動についても、行える範囲で続けてもらうことがあります。

サッカーを休むか迷っている方は、「シーバー病でサッカーは休むべき?練習を続ける目安と治し方を解説」も参考にしてください。

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自宅ではストレッチをした方がいい?

シーバー病では、ふくらはぎ~アキレス腱周辺のストレッチが保存的な対処の一つとして行われています。

ただし、かかとに痛みが出る状態で無理に伸ばす必要はありません。

ストレッチの具体的な方法は、「シーバー病にストレッチは効果ある?正しいやり方と痛いときの注意点を解説」で写真付きで紹介しています。

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シーバー病と成長痛についてよくある質問

シーバー病は成長痛の一種ですか?

一般に「成長痛」と呼ばれる良性夜間四肢痛と、シーバー病は同じものではありません。

シーバー病は成長期の踵骨骨端部に起こるスポーツ障害で、運動によってかかとの痛みが出やすいのが特徴です。

かかとが痛ければシーバー病ですか?

いいえ。

子どものかかとの痛みにはシーバー病以外にもさまざまな原因があります。症状だけで自己診断するのは避けましょう。

夜に痛ければ成長痛ですか?

夜に痛むというだけでは判断できません。

典型的な成長痛では夕方~夜間に痛みが出て、朝にはなくなり、日中の活動や歩行に問題がないことが特徴です。

サッカーをしている子どもがかかとを痛がったらシーバー病ですか?

サッカーなど走る・ジャンプするスポーツをしている成長期の子どもにはシーバー病がみられますが、サッカーをしているというだけでは診断できません。

痛む場所やタイミング、圧痛、歩き方などを含めて評価します。


まとめ|シーバー病と成長痛は痛み方に違いがある

シーバー病と一般に「成長痛」と呼ばれる痛みは同じものではありません。

シーバー病では、**「かかと」「運動中・運動後」「走る・ジャンプで痛む」という特徴がみられやすい一方、典型的な成長痛では、「太もも・すね・ふくらはぎ」「夕方~夜間」「朝には症状がなくなる」**といった傾向があります。

ただし、これらはあくまで典型的な特徴です。

家庭で完全に見分けることを目的にするのではなく、「成長痛として様子を見てよいのか、それとも一度診てもらった方がよいのか」を考える目安として使ってください。

特にサッカーなどの運動中に毎回かかとを痛がる、歩き方が変わる、痛みが続いている場合には、「成長期だから仕方がない」と決めつけず、一度状態を確認してもらいましょう。

ABOUT ME
こばやし先生
東京都葛飾区で「こばやし接骨院」を経営する柔道整復師(国家資格保持者)。延べ2,000人以上の施術実績に基づき、「どこに行っても痛みが治らない」と悩む方を減らしたい想いから本メディアを立ち上げました。湿布や薬に頼らず、自宅でできる解剖学に基づいた正しいストレッチやセルフケアを発信中。