この記事の監修・執筆者:小林 勇太(柔道整復師/接骨院長)

シーバー病(踵骨骨端症)の子どもをみていると、

「一度よくなったのに、またかかとが痛くなった」

「サッカーに復帰したら再発してしまった」

という相談を受けることがあります。

シーバー病は、症状が一度落ち着いたあとに、再び痛みが出ることがあります。 特に運動量が増えたときなどに症状が再燃することが知られています。

私が実際にみてきた患者さんでも、サッカーをしている小学生が多く、痛みが落ち着いて運動量を戻したあとに再び痛くなるケースがあります。

ただし、

「再発した=治療に失敗した」

とは限りません。

成長期でスポーツを続けている間は、かかとに繰り返し負荷が加わります。

この記事では、シーバー病を繰り返すときに考えたい原因と、再発を減らすためにできることを解説します。

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シーバー病は再発することがある?

シーバー病は、成長期のかかとの骨にある成長部分に繰り返し負荷が加わることで痛みが生じるスポーツ障害です。

走る・ジャンプするといった運動で症状が出やすく、休んだり運動量を減らしたりすると痛みが軽くなることがあります。

ところが、痛みがなくなったあとに急に以前と同じ運動量へ戻すと、再びかかとに痛みが出ることがあります。

そのため、

「痛みがなくなった=すぐに以前と同じ練習をしてよい」

とは考えない方がよいでしょう。

シーバー病は成長に伴って最終的には症状がみられなくなる疾患ですが、それまでの期間に痛みを繰り返すことがあります。


シーバー病が再発する原因は?

シーバー病の再発を、たった一つの原因で説明することはできません。

実際、シーバー病に関連すると考えられている要因について調べた系統的レビューでも、研究によって結果が一致していない項目があります。

比較的多く研究されているのは足首の背屈制限ですが、足部のアライメント、足底圧、スポーツ活動など、さまざまな要素が研究されています。

そのため、

「ふくらはぎが硬いから再発した」

「姿勢が悪いから再発した」

など、一つの原因だけに決めつけないことが大切です。

実際には、次のような点を確認していきます。


運動量を急に戻している

再発したとき、まず確認したいのが運動量です。

シーバー病ではランニングやジャンプなどの繰り返しの負荷が症状に関係します。

特にサッカーでは、

ダッシュ、切り返し、ジャンプ、キック、長時間の練習などが繰り返されます。

痛みがなくなったからといって、

休んでいた状態 → いきなり通常練習

と戻してしまうと、かかとに加わる負荷も急に増えます。

私は実際の患者さんでも、痛みが落ち着いてきたら、いきなり元の練習量に戻すのではなく、状態を確認しながら徐々に運動量を戻してもらいます。


痛みが残ったままサッカーを続けている

私はシーバー病だからといって、すべての子どもにサッカーを完全に休ませるわけではありません。

行える範囲で運動してもらうことがあります。

ただし、痛みを我慢して普段と同じ練習を続けるという意味ではありません。

走ると痛い、ジャンプすると痛い、痛みのために走り方が変わっている、練習後や翌日に痛みが強くなる場合などには、練習量を減らします。

シーバー病の治療では、症状に合わせた活動量の調整や相対的な休息が基本的な方法の一つです。

サッカーをどの程度休めばよいか迷っている方は、「シーバー病でサッカーは休むべき?練習を続ける目安と治し方を解説」も参考にしてください。

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ふくらはぎや足首の状態も確認する

シーバー病では、足関節の背屈制限が関連する要素として比較的多く研究されています。

ただし、これについても研究結果にはばらつきがあるため、

「ふくらはぎが硬いことがシーバー病の根本原因」

とまでは言えません。

私が実際に患者さんをみる際には、かかとだけでなく、ふくらはぎから足底までの状態も確認しています。

ふくらはぎや足底周辺に硬さがみられる場合には、状態に応じて電気治療や手技療法を行うことがあります。

また、自宅で行える方法として、ふくらはぎのストレッチを取り入れることもあります。

ただし、電気治療・手技療法・ストレッチのどれか一つを行えば、再発を防げるというものではありません。


ストレッチも再発予防の一つとして考える

ふくらはぎ~アキレス腱周辺のストレッチは、シーバー病に対する保存的治療の一つとして行われています。

ただし、

「毎日ストレッチすれば再発しない」

とは言い切れません。

痛みの状態を確認しながら無理なく行い、運動量の調整などと組み合わせて考えます。

具体的なやり方は、「シーバー病にストレッチは効果ある?正しいやり方と痛いときの注意点を解説」で写真付きで紹介しています。

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靴やかかとへの負担も確認する

シーバー病では、靴やかかとに加わる負荷についても考えます。

ヒールカップやヒールパッド、インソールなどが保存的な対処として使用されることがあります。

ただし、これについても「これを使えば必ず再発を防げる」というものではありません。

シーバー病に対する治療研究そのものがまだ十分とはいえず、装具などについても研究の質や結果には限界があります。

サッカーの場合にはスパイクを履く時間が長くなるため、靴のサイズやフィット感、クッション性なども確認しておくとよいでしょう。


シーバー病の再発を減らすために大切なこと

再発を防ぐために、

「これだけやれば大丈夫」

という方法はありません。

私は、特に運動量を急に戻さないことが大切だと考えています。

痛みが落ち着いたら、軽い運動から開始して、走る・ダッシュする・切り返す・通常練習というように、状態を確認しながら負荷を戻していきます。

その途中で痛みが再び強くなるのであれば、一段階負荷を下げます。

2026年には、シーバー病の子どもに対して、痛みに応じた活動量調整と段階的な運動療法を組み合わせる介入の実施可能性を検討した研究も報告されています。ただし、まだ小規模な予備研究であり、有効性を確立した段階ではありません。

シーバー病の再発を減らすためには、一つの対策だけではなく、運動量・ストレッチ・靴などを組み合わせて考えることが大切です。

シーバー病の再発を減らすための運動量調整・ストレッチ・靴の見直しを解説した図

特に、痛みが落ち着いた直後に練習量を一気に戻さないことが重要です。お子さんの痛みや動きを確認しながら、少しずつ負荷を上げていきましょう。


再発したら完全に休ませた方がいい?

再発したからといって、必ず完全休止が必要とは限りません。

私は、

歩いたときの痛み、走ったときの痛み、フォームの変化、運動後や翌日の症状

などを確認して判断します。

運動できる状態であれば、練習量を減らしながら続けてもらうことがあります。

一方、歩くだけでも強く痛む、足を引きずっている、走り方が大きく変わっている場合などには、サッカーなど痛みを誘発する活動を一時的に休ませることを考えます。


何度も再発する場合は一度診てもらう

「シーバー病がまた再発した」と思っていても、かかとの痛みが必ずシーバー病とは限りません。

シーバー病は一般的には診察所見を中心に判断されますが、症状が強い場合や通常と異なる場合、長期間改善しない場合などには、画像検査によって骨折、感染症など別の原因を除外することがあります。

特に、安静時にも強く痛む、腫れが強い、体重をかけられない、外傷後から強く痛む、何度も痛みを繰り返している場合には、自己判断だけで運動を続けず医療機関で確認してもらいましょう。


シーバー病の再発についてよくある質問

一度治ったシーバー病が再発することはありますか?

あります。

シーバー病では、症状が落ち着いたあとでも運動量が増えたときなどに痛みが再び出ることがあります。

再発したらまたサッカーを休む必要がありますか?

必ずしも完全に休む必要があるとは限りません。

痛みの程度や動き方を確認しながら、練習量を減らす、一部のメニューを休む、一時的にサッカーを休むなどを判断します。

ストレッチをすれば再発を予防できますか?

ストレッチはシーバー病の保存的な対処として行われますが、ストレッチだけで再発を防げるとは言えません。

運動量や靴なども含めて考えることが大切です。

成長が終わるまでずっと再発しますか?

必ず再発し続けるわけではありません。

シーバー病は成長期に起こるもので、かかとの成長板が閉じた後にシーバー病として症状が続くことは通常ありません。


まとめ|シーバー病の再発は運動量も含めて考える

シーバー病は、一度痛みが落ち着いたあとに再び症状が出ることがあります。

しかし、その原因を、

「ふくらはぎが硬いから」
「姿勢が悪いから」
「休みが足りなかったから」

など、一つだけに決めることはできません。

私が実際に患者さんをみるときは、かかとの状態だけでなく、ふくらはぎから足底まで確認し、サッカーなどの運動量も一緒に考えます。

大切なのは、痛みがなくなった瞬間に以前と同じ練習へ戻すのではなく、痛みや動きを確認しながら段階的に運動量を戻すことです。

再び痛みが出た場合にも、痛みを我慢して練習を続けるのではなく、その時点の状態に合わせて負荷を調整していきましょう。

ABOUT ME
こばやし先生
東京都葛飾区で「こばやし接骨院」を経営する柔道整復師(国家資格保持者)。延べ2,000人以上の施術実績に基づき、「どこに行っても痛みが治らない」と悩む方を減らしたい想いから本メディアを立ち上げました。湿布や薬に頼らず、自宅でできる解剖学に基づいた正しいストレッチやセルフケアを発信中。