肉離れについて

肉離れの原因・症状・治療からリハビリの流れ

スポーツをしている人なら走ったり、ジャンプをしたときに太ももやふくらはぎの肉離れを経験したことがある人は多いのではないだろうか?
肉離れは、「肉離れならたいしたことないかな」と思う人が多く、治療をせずに湿布を貼って様子をみる人が多いが、なかなか症状が改善しない、肉離れが再発してしまったりと実はやっかいなケガであるため、損傷程度に合わせた適切な治療、リハビリを受けることが重要です。
この記事を読むことで肉離れの原因、症状、治療からリハビリまでの正しい知識を得ることができるので、肉離れで悩んでいる人やスポーツをしている子供がいる親御さんにはぜひ読んでもらいたい。

目次

肉離れの原因

筋肉の血液循環が悪い

肉離れの主な原因は
・練習量が多くて疲労が溜まっている
・ウォーミングアップ不足などで体が冷えていた
・寝不足
・栄養不足
などで血液循環が悪くなっていることです。
太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)やふくらはぎ(下腿三頭筋)は体重を支えていることもあり、筋肉に負担がかかりやすく、血液の循環も悪くなりやすいために肉離れが起きやすくなっています。
運動をしているときは筋肉が伸び縮みしないといけないが、循環が悪いと筋肉の伸び縮みが出来なくなってしまい、負担がかかったときに筋肉が切れてしまいます。

肉離れの症状

肉離れの損傷程度は軽度、中度、重度の3段階に分かれ、損傷の程度によって症状がちがいます。

軽度肉離れの症状

筋肉の断裂はないが、筋肉が過度に伸ばされた状態で、若干の炎症が出ます。
痛めた筋肉に力を入れたり、ストレッチをしたりすると不快感や違和感、若干の痛みがあります。
治療期間は2~3週間程度になります。

中度肉離れの症状

部分的に筋肉が断裂しており、一般的に肉離れといわれる状態です。
患部に圧痛、腫れなどがみられ、断裂した部分からの出血が多い場合は内出血がみられることもあります。
筋肉に力を入れたり、ストレッチをしたりすると痛みがあり動かせないこともあります。
また足に体重を乗せると痛みがあります。
治療期間は1~2カ月程度になります。

重度肉離れの症状

筋肉が完全に断裂してしまった状態で、患部に強い圧痛があり、筋肉に凹みができます。
また筋肉が切れた両端が縮むことでしこりができます。筋肉が断裂しているため、力を入れることができず、ストレッチを加えると強い痛みがあります。断裂部から多くの出血が出るため、内出血が現れます。
治療期間は2カ月以上になります。

肉離れ治療の流れ

エコーや筋肉を触ったり動かして肉離れした筋肉の状態を把握する

肉離れは損傷程度によって治療方法や治療期間が変わるため、損傷程度をしっかり把握することはとても重要になります。
エコーで筋肉の状態を観察したり、実際に筋肉を触ったり、動かしたりして、エコーの画像も合わせて総合的に肉離れの損傷程度を把握します。

電気治療を行う

こばやし接骨院の電気は以下の効果があり、肉離れの状態で使い分けることで回復を促していきます。
・炎症、出血、腫れを抑える
・鎮痛効果
・肉離れの修復を早める
・筋力を鍛え、柔軟性を高める
炎症や出血は肉離れが治っていく過程で必要なものですが、必要以上に出てしまうと周りの痛めていない組織まで影響が及び、肉離れした傷口が広がってしまうことがあります。
痛みをすぐに引かせることも重要で、痛みを感じていると体に力が入り、筋肉が緊張してしまうと血流が悪くなってしまい、筋肉の回復が遅れてしまいます。
電気を流し炎症、出血、腫れ、痛みを抑えることで筋肉の回復が早まります。
また微弱電流という電気を流すことができ、微弱電流は痛みを抑えながら、ケガの回復を促進してくれるので早く治したい方にはおススメです。
電気のモードを変えることで筋肉の柔軟性を改善したり、筋力を鍛えることもできます。
肉離れをした筋肉は筋力や柔軟性が低下してしまうので、炎症などが落ち着ちつき次第すぐに筋肉を動かす必要があります。
リハビリの初期段階では筋肉を動かすことは難しいこともあるので、電気を流すことで筋力や柔軟性の低下を防ぐなど、肉離れの状況の応じて電気を使い分けて、肉離れの早期回復を早めていきます。

肉離れした筋肉の周囲を緩める

肉離れした筋肉の周囲を緩めることで肉離れの回復を早めることができます。
肉離れを起こすと、肉離れした周囲の筋肉が緊張してしまいます。

肉離れは適切な治療を行い、スポーツ復帰が出来るようになるまでリハビリを行うことで、最短でスポーツ復帰したときにパフォーマンスを落とさずに、全力でプレーをすることが出来るようになる。

たしかに治療をしなくても痛みは軽減していくが、肉離れは程度によって復帰の期間や治療方法が変わるもの。
肉離れを起こしているにもかかわらず運動を続けたり、適切な治療やリハビリを行わずに早期に運動を開始したりすることで、なかなか治りきらない、治りかけの肉離れの部分を再発させてしまったりと実はやっかいなケガのため適切な治療とリハビリが大事になる。
まずは治療法を紹介する前に肉離れとはどんなものなのか簡単に説明しておこう。
肉離れがどんなものかわかれば治療やリハビリの重要性がわかるからだ。

肉離れを起こした時は鋭い、力の抜けるような痛みや場合によっては「ブチ」や「ポン」と音がしたような、突然の衝撃を感じることが多い。
肉離れをして筋肉が切れると、切れてしまった部分に筋肉を再生させるための細胞が増殖してきて、瘢痕組織というものができる。
この瘢痕組織というのは筋肉とはちがうので、初期のころは柔軟性や耐久性がほとんどない組織。
簡単に言うと切れた部分をとりあえず埋めている感じだ。
瘢痕組織は適切な治療、リハビリを行うことで元の筋肉に戻っていくが、治療を行わなかったり、スポーツ復帰が早かったり、リハビリを行わずにスポーツ復帰してしまうと、瘢痕組織がごりごりとした『しこり』となって残ってしまう。
この『しこり』がとてもやっかいで、肉離れの治療で1番重要なのは『しこり』を作らないことだ。
『しこり』の部分は筋肉でないとても弱い組織なので、柔軟性も耐久性がほとんどない。
柔軟性も耐久性もほとんどない『しこり』が残ってしまった場合、肉離れの再発が起こりやすくなってしまう。
しこりとなった瘢痕組織は柔軟性や耐久性がほとんどないため、筋肉に両側から引っ張られた際に瘢痕組織自体が肉離れの再発を起こす。

瘢痕組織は柔軟性がないが、その隣にある筋肉は伸び縮みすることができるので、瘢痕組織と筋肉の間で肉離れが再発してしまう。
また肉離れをしてしまった後には筋肉が切れたところから出血が起き、血腫というものができる。
この血腫が大きいほど、しこりが大きくできてしまう可能性がある。

肉離れした部分にしこりができないようにすることは肉離れの治療で最も大事なことである。

 

 

肉離れした本人も痛めたかなとわかるので、それを感じた人は肉離れならたいしたことないから大丈夫かなと自己判断せずに
また肉離れが治ったと思い、スポーツに復帰したあとに肉離れを再発してしまう方も多い。
肉離れというくらいなので、筋肉があるところならどこでも肉離れを起こす可能性があるが、やはり体重を支える足に多いケガ。
特にスポーツに力を入れている人は、パフォーマンスが著しく落ちたり、肉離れの再発を繰り返すなど満足に身体を動かせないことが増えるのできちんと治療することをおススメする。
肉離れを最短で治す治療法といっても、肉離れが1日や2日で治るというわけではない。
あとで説明するが、肉離れの程度によって復帰期間は変わってくる。
当院でも適切な治療を行えば、日常生活に不自由ないぐらいにはすぐに戻るが、復帰するまでのプロセスを守らずに、スポーツ復帰をすると再発したり、肉離れのところにしこりが残り、満足なパフォーマンスができなくなる。
これから紹介する治療法は復帰したときに再発せず、全力でスポーツが出来ようになるための治療である。

肉離れを最短で治す治療法で1番大事なのはすぐに接骨院、整形外科で治療を受けるということだ。そんな当たり前のことと思われる人もいると思うが、肉離れは自己判断で様子をみる人がかなり多い。
肉離れをしてしまったあとにすぐに治療を受ける必要がある大きな理由は肉離れしてしまった筋肉に瘢痕組織というしこりを作らないためだ。
肉離れした部分にしこりができないようにすることは肉離れの治療で最も大事なことである。筋肉が肉離れを起こすと肉離れをして切れた部分に、筋肉を再生させるための細胞が増殖してきて、瘢痕組織というものができる。この瘢痕組織というのは筋肉とはちがうので、初期のころは柔軟性に乏しい組織。また肉離れ後には出血が起き、血腫が出来る。この血腫が大きいほど、瘢痕組織が大きくできてしまう。

肉離れ後に起こる瘢痕組織損傷した部分を瘢痕組織が埋める

肉離れをして、すぐに治療をすることで肉離れした部分をそれ以上離れないようにしたり、血腫ができるのを抑えることができる。早期から治療をすることで瘢痕組織をなるべくできないようにできるということだ。
肉離れの治療が遅れたり、治療がうまく進まないと肉離れした筋肉を触ったときごりごりしたしこりになってしまう。このしこりが大きいほど筋肉の強度、柔軟性が足りない部分が残っているということになるので、スポーツに復帰したときに肉離れが再発してしまう可能性が大きくなり、パフォーマンスが落ちる原因にもなる。
肉離れを起こした時は鋭い、力の抜けるような痛みや場合によっては「ブチ」や「ポン」と音がしたような、突然の衝撃を感じることが多く、肉離れした本人も痛めたかなとわかるので、それを感じた人は肉離れならたいしたことないから大丈夫かなと自己判断せずに、接骨院や整形外科などで診てもらおう。
それではここからどんな治療を行えば最短でスポーツに復帰できるか、具体的な治療法を紹介しよう。

 

 

 

 

手技療法

肉離れに対する手技療法初期の頃は筋肉を緩めるというよりも、手の治療で筋肉がこれ以上離れないように寄せる治療をしたり、腫れなどをとるような治療をする。筋肉がある程度回復してきたら、瘢痕組織の柔軟性を高めるように、血流を良くする治療などや硬さを取り除くようにしていく。
手技療法で血流をよくするというとマッサージを想像する方も多いと思うが、肉離れの治療をするときに患部を強く押したり、揉んだりすると逆に悪化させることもある。

肉離れした部分を圧迫する

肉離れに対する包帯固定肉離れした直後は治療後、日常生活を送るときに肉離れした部分をしばらくの間圧迫する必要がある

・腫れを最小限におさえる

・肉離れした筋肉の傷口を広げない

肉離れをした部分を圧迫することで、出血による腫れを最小限におさえることが出来る。例えばケガをして血が出てしまった時に直接患部を押して止血をする。これを同じで肉離れしてしまった部分を包帯やサポーターで圧迫することで止血効果がある。これを行わないと出血がどんどん出てきて腫れがひどくなり、瘢痕が出来てしまったりして治るまでに時間がかかってしまう。
また腕もそうだが特に足の肉離れの場合は歩くため全く筋肉を使わずに安静にすることはとても難しい。圧迫せずに動いてしまうと筋肉が動いてしまうので、肉離れした筋肉がより広がってしまい悪化してしまう。筋肉を圧迫することにより、肉離れした筋肉がそれ以上広がらないようにすることができる。
肉離れした筋肉を圧迫するときに太もも以外は包帯でしっかりと圧迫できるが、太ももは圧迫力があるサポーターがおススメ。包帯でも圧迫できないことはないが、太ももは太さが上の方と下の方でちがため、包帯だと歩いていたりするとすぐにほどけてしまうためだ。

肉離れした筋肉のストレッチを行う

肉離れに対するストレッチ肉離れをした部分がある程度回復してきたら、柔軟性を高めるためにストレッチを行っていく。特にスポーツをしている人は肉離れした筋肉の柔軟性を元に戻してから復帰しないと肉離れが再発することもある。ストレッチは始めるタイミングが早いと肉離れの部分を悪化させてしまう。ストレッチを行うタイミングとしてはストレッチをしているときに、ストレッチされている本人が肉離れを起こした部分に引きつけるような痛みではなく、ストレッチ感を感じることが大事。ストレッチ感ではなく、引きつけるような痛さを感じるときは、まだストレッチを開始するのが早いということだ。

肉離れした筋肉の筋力と強度を高める

肉離れが再発したり、スポーツ復帰したときにまた痛めそうで全力で出来ないという声をよく聞くが、肉離れした筋肉の筋力と強度を高めるトレーニングをやらずにスポーツ復帰してしまうのが原因の人がとても多い。
肉離れをした筋肉が徐々に回復してきたらストレッチをする人は多い。しかしスポーツに復帰する際に柔軟性を改善するだけでは不十分。柔軟性を高めた後は、筋肉の筋力や強度を高める必要がある。肉離れの痛みが消えると完治と勘違いしてしまい、肉離れした筋肉の筋力や強度がまだ不十分な状態で、ケガ前の元の運動強度でスポーツをすると、運動の強度に耐え切れず、肉離れが再発してしまったり、全力でプレーするのが怖くなってしまう。また何度も肉離れを繰り返すと瘢痕化してしまい余計再発のリスクが高まり、また治るまでに長期に時間がかかってしまうようになる。
強度を高めるトレーニングを行うときは負荷のかけかたにも注意が必要。急に負荷の高いトレーニングを行うと筋肉がその負荷に耐えられず肉離れが再発する原因になることもある。リハビリは段階的に強度をあげなければならないので自己判断で行うのは危険。
肉離れした筋肉のストレッチや筋力、強度を高めるトレーニングは専門スタッフにマンツーマンで行うべきだ。


ふともものトレーニング


ふくらはぎのトレーニング

※テーピング

肉離れした筋肉にテーピングをする今回治療としてテーピングを入れなかったが、肉離れをしてどうしても試合が近いときなどにはテーピングを行うこともある。
しかしテーピングをして試合に出てしまうと、瘢痕組織(しこり)ができやすい状態になってしまうので注意が必要である。
瘢痕組織が出来てしまうと、パフォーマンスが落ちてしまうので、あまり無理に試合に出ることはおススメしない。
しかし学生最後の大会や、その試合の後に当分試合がなく、試合後ゆっくり休める状況などであれば、無理にでもテーピングをして試合に臨むこともある。
今後の予定などよく考えて、テーピングをすることが大事である。

これで出来るだけ早く治療を受ける重要性がわかったと思う。また今回紹介した治療はすべて必要である。どれか行わないだけで肉離れが治るまでに時間がかかってしまうので、設備が整ったところで治療を受けるのがベストだ。

最短でスポーツ復帰するには早期治療がもっとも有効である!

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。