膝の痛み

タナ障害とは?原因・症状・治療を解説

しゃがんだときや膝を曲げた時など、膝がパキパキ鳴って痛いという経験はないだろうか?
また、痛くはないが膝がしっかりしていない感じで不快と感じているのではないでしょうか?
その症状は、タナ障害と呼ばれる疾患かもしれませんよ。
そのパキパキなる原因は、膝の中にある滑膜ヒダが引っかかってしまっているのです。
今回は、そんな膝がパキパキ鳴るタナ障害の症状や原因について紹介していきたいと思います。

目次

タナ障害とは?

膝関節は、太もものある「大腿骨」とふくらはぎにある「脛骨・腓骨」とお皿と呼ばれる「膝蓋骨」の4つの骨から構成されています。
そして、この膝の関節の中に存在するのが滑膜ヒダです。
このヒダが、モノを載せるための棚のように見えることから「タナ」と呼ばれています。
この滑膜ヒダは、胎児が母親の胎内にいるときに一時的に作られるので、出産後に約半数を胎児は、そのまま滑膜ヒダが残ると言われています。
そのため、この滑膜ヒダはこれといった大きな機能を持たないためそのままにしておいても特に悪い影響はありません。

ただし、「タナ障害」になってしまうと膝がパキパキ鳴って痛みを発生させることがあるのです。

タナ障害の原因

タナ障害は、滑膜ヒダが関節に挟まれることで痛みを発生させています。
では、滑膜ヒダが膝に関節に挟まってしまうのにはどのような原因があるのでしょうか?

膝の関節の動きが悪い

膝の関節がスムーズに動いていないと、滑膜ヒダが関節に挟まりやすくなってしまいます。
膝関節を曲げたり伸ばしたりするときに、膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨は上下に動きます。
しかし、太ももの前の筋肉が硬くなっていたりすると膝のお皿の動きが制限されるため膝蓋骨が正常に動けなくなってしまうのです。
そのため、滑膜ヒダが大腿骨と膝蓋骨に挟まれてタナ障害を引き起こすのです。

滑膜ヒダが肥厚している

滑膜ヒダが、肥厚といって分厚くなってしまっていることがあります。
タナ障害を発症していても、初期の頃は痛みを伴わない場合があります。
なんか膝に違和感があるなっという程度の症状だけです。
しかし、そのまま放っておくと滑膜ヒダが何度も挟まれることで肥厚してしまいます。
肥厚してしまうと、硬く分厚くなったタナが発端となり一部を損傷したり腫れたりしてタナ障害の痛みを引き起こすのです。

膝をぶつけるなどのケガをきっかけになる

転んで膝をぶつけたり、ジャンプの着地で膝を痛めるなどのケガをきっかけにタナ障害になることもあります。
ケガをしたことで、膝が腫れてしまい膝の動きが悪くなることや膝をかばって変に使っていることが原因となってしまいタナ障害を引き起こすのです。

タナ障害を診断するポイントとは?

タナ障害は、膝を曲げ伸ばしした時にパキパキと音がなるのが特徴です。
そのため、簡易的な診断方法として膝のお皿の下の辺りに指を当てて膝の曲げ伸ばしを行う方法です。
この際に、指にパキパキと弾発感を感じたら「タナ障害」の可能性が高くなります。

しかし、この方法は簡易的なため確定的な診断にはなりません。
タナ障害と類似した疾患もあるため、可能性が高いとだけ思って頂けるといいかなと思います。

しっかりとした診断をしたい方は、専門家の診察を受けることをおすすめします。

タナ障害の症状

タナ障害になると以下の症状を認めます。

膝のお皿周辺が痛む

タナ障害の場合、滑膜ヒダが大腿骨と膝蓋骨に間に挟まって痛みが出ているため膝のお皿の周辺に痛みを感じます。
また、膝を曲げ伸ばしする時に挟まりやすいため、屈伸など膝の曲げ伸ばしに伴って痛みが出ます。

膝を曲げ伸ばしするとポキポキ鳴る

タナ障害の場合、膝を曲げ伸ばしするとポキポキと音がなります。
これは、滑膜ヒダが関節に挟まる時の音です。
また、聞こえていなくても膝のお皿の下辺りに指をおいて膝を曲げ伸ばしするとポキポキと引っかかり感を感じます。

日常生活は痛くないが運動すると痛いが始まり

タナ障害の場合、最初の頃は日常生活では痛くないが運動すると痛くなるという症状を訴える方が多いです。
また、運動を少し休むと痛みがなくなります。
しかし、そのまま治療せずにいると日常生活の膝の曲げ伸ばしだけでも違和感や痛みを感じてくるようになります。

タナ障害の治療

保存的療法で軽快に向かいます。
まずは疼痛をきたす動きは回避し、大腿四頭筋の強化やストレッチをしていきます。
また、物理療法(電気治療や超音波治療)や温熱療法(熱感があるときは冷却療法)を施します。
その他の治療方法として、関節内にステロイド注射を打つこともあります。
これらの対処でも改善されない場合や物理的にタナが大きくて引っかかりが強く膝が伸びない場合は他の部位に影響を及ぼすこともあるので手術療法を選択します。
ただ、手技療法になる例はとても少ないです。

ABOUT ME
小林 勇太
葛飾区こばやし接骨院院長。柔道整復師の国家資格を保有。野球やサッカー・バレーボールなどのスポーツの現場で活動していたためスポーツ障害・外傷の症例経験が豊富。葛飾区こばやし接骨院の院長をしている小林勇太院長のブログです。